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◆消化器内科・緑茶医療研究センター
 2008年3月に小野幸矢医師が名古屋大学医学部へ、2009年9月には藤田昌春医師が岐阜県の東可児病院へ転出し、2009年10月より、私と栗木医師の常勤医2人体制で消化器内科を運用している。また名古屋大学より綾田・舘・石津医師が代務で検査・外来診療など応援に来ていただいている。さらに2009年2月よりは総合内科所属の柴田泰医師(平成18年卒、当院にて初期研修終了)が消化器の後期研修に加わった。この地域の自治体病院に共通する極端な医師不足、特に内科系医師不足は深刻度を増してきている。その中で診療・救急・教育指導・学会発表・市民公開講座などを、スタッフの献身的な努力により何とかこなしている。しかしそれも限界に近づいている。
 消化器内科診療の特徴は、内視鏡・超音波・放射線などの種々のモダリティを統合的に駆使して、コメディカルの協力を得て、最善の検査・治療を行うことにある。また消化管出血・化膿性胆管炎などとっさの判断を求められることも多く、リスクも高いため、普段より実際の患者さんに接して、技術の習得と練磨に勤めなければならない。
 最近では患者さんの要求も高くなってきており、十分なICのもと、安全で苦痛が少なく質の高い診断・治療手技が求められる。日々の業務が多忙を極める中、スキルアップしていく時間的、また精神的な余裕がなかなか持てないのが実情である。
 薬害肝炎訴訟等を通じ、C型肝炎対策は国民的な課題となってきている。高額とならざるを得ないウイルス性肝炎に対するペグインターフェロンなどのインターフェロン治療を、公費で助成する制度も導入され、治療を希望される患者も増加してきている。インターフェロンに緑茶を併用する治療で、C型慢性肝炎の完治率が向上してきている。総治療費の中で緑茶の占める費用割合は極めて低く、費用対効果が極めて優れている。
 また治療が大変困難とされる維持透析を受けているC型慢性肝炎患者の治療にも積極的に取り組んでいる。血液浄化療法を組合せて、ペグインターフェロン/リバビリン療法を完遂することに世界で始めて成功した。緑茶の併用で、長期にわたる困難な治療を安全に遂行することが可能となったと考えている。治療終了時本患者のHCV−RNAは陰性化しており、効果が期待しうる。維持透析患者におけるC型慢性肝炎罹患率は10%弱といわれており、今後ペグインターフェロン/リバビリン療法が必要な患者が増えてくるものと思われる。近隣の透析サテライトと連携し、当院腎臓内科・透析センターの力をお借りして、日本においてこの分野のトップランナーとして症例を集積していきたい。
 緑茶の併用が、ペグインターフェロン/リバビリン療法の治療成績を向上させる機序を解明する研究も、舘医師を中心に名古屋大学と協力し研究が進んでいる。本研究を通じ、緑茶がメタボリックシンドロームに有用である可能性を有する事が明らかとなってきた。
 さらに中東遠地域における死亡原因・平均寿命・老人医療費などの調査により、緑茶が動脈硬化やメタボリックシンドロームに有効である疫学的な可能性を見出した。当地域は、全国平均に比較し、男女とも平均寿命が長いのにもかかわらず、医療費が80%以下と安く済んでいる。緑茶を愛飲しているこの地域のライフスタイルに、優れた点が多々あるだろうと考えている。緑茶を用いた介入研究とコホート研究を通じ早急に医学的に究明する必要がある。それを全国に展開すれば毎年3−4兆円という巨額な医療費の節減につながる。この財源を少子高齢化対策や、技術立国しか国際社会のなかで生残れない日本の教育・研究・開発に振分けることしか、日本の活力を取り戻す道はないと考えている。
 以上述べたような緑茶のC型慢性肝炎治療、メタボリックシンドローム対策などへの有用性を、全国レベルの学会や国際学会で発表してきている。
 大変厳しい環境の中で、消化器内科・緑茶医療研究センターが、スタッフが燃え尽きることなく、その機能を十分発揮できるよう、皆様方のご理解とご支援を切にお願いいたします。
◆医師一覧  (氏名をクリックすると、各医師の詳細を表示します。) 挿絵
診療科 役職 氏名
消化器内科
医監
鮫島 庸一
消化器内科部長 兼
内視鏡室診療科長
小野 幸矢
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